2017年8月31日木曜日

【速報】【平成30年度概算要求】各府省の航空宇宙予算、文科省1,950億円、防衛省887億円など計上。

各府省は31日までに平成30年度予算の概算要求を財務省へ提出、公表した。概算要求に計上された主な項目は次のとおり。()内は今年度予算に対する差額。



文部科学省
 H3ロケット              340億円(149億円増)
 イプシロンロケット高度化         16億円(  3億円増)
 先進光学衛星/先進レーダ衛星       65億円( 39億円増)
 技術試験衛星9号機            11億円(  3億円増)
 X線天文衛星代替機            45億円( 22億円増)
 深宇宙探査技術実証機(DESTINY)   2億円  (新規)
 新型宇宙ステーション補給機(HTV-X) 36億円( 10億円増)
 国際宇宙探査ミッションの開発研究      5億円  (新規)
 次世代航空科学技術の研究開発       37億円(  4億円増)
 ISS日本実験棟「きぼう」の運用等   116億円 (ほぼ同額)


経産省
 政府衛星のデータのオープン&フリー化
 及び利用環境整備事業費          13億円  (新規)

内閣府
 実用準天頂衛星システムによるサービス提供 79億円  (新規)
 みちびき初号機後継機の開発・整備・打上げ 77億円( 13億円)

国土交通省
 首都空港等の機能強化
 (羽田空港の飛行経路見直し等)     191億円(  1億円)
 地方空港・地方航空ネットワークの活性化
 (沖縄、福岡の滑走路増設等)      470億円(  1億円)

総務省
 衛星通信における量子暗号技術の研究開発   3億円  (新規)

防衛省
 宇宙状況監視に係る取組
 (米国やJAXAとの連携強化等)     44億円
 衛星通信の利用
(Xバンド防衛通信衛星3号機の一部整備等)730億円
 商用画像衛星・気象衛星の利用
 (超小型地球観測衛星や
  JAXAのALOS-2の利用等)   112億円

【筑波宇宙センター特別公開2017】JAXA、「日本JAXA学会」を開催へ。学会スタイルで研究開発を紹介。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は来月30日の筑波宇宙センターの特別公開におけるアトラクションとして、「日本JAXA学会」を開催する。日本JAXA学会(JAJAS)は特別公開限りで設立する架空の学会。JAXAの研究開発部門の研究者が発表する。


日本JAXA学会は初めての取組。本物の学会さながら、「学会名札」や「ポスターセッション」も用意するという。今回、JAXAは高校生以上を推奨として一般から80名程度の参加を募集する。主な発表内容は次のとおり。

セッション1 「JAXAの歴史」

  1. 宇宙機の巧みさ、そして知能
  2. 人工衛星用リチウムイオンバッテリの正負極材の結晶構造変化に伴う性能劣化とその検知手法の研究
  3. 宇宙用精密ベアリングの低摩擦・長寿命化に向けたリテーナインスタビリティの現象解明と対策


セッション2 「JAXAの未来」

  1. 衛星構造に要求される3つの「安定性」に関わる技術課題
  2. 液体ロケットエンジン燃焼器の再生冷却性能予測のための熱-流体連成解析技術の構築
  3. 軌道上での人工衛星への燃料補給ビジネスの事業性及び法的検討
  4. 越夜時の熱リーク低減を目的とした月面探査ローバへの非接触電力伝送適用に関する研究



詳細はJAXAのウェブサイトを参照。
JAXA「日本JAXA学会第一回学術講演大会
JAXA「日本JAXA学会第一回学術講演大会プログラム

JAXA、入笠山デブリ観測設備を改修。新規に実験装置を設置予定。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、長野県に設置している入笠山光学観測施設における設備改修の調達に着手した。JAXAが公開した調達仕様書によれば、現行の格納設備を改修し、新たに実験設備を搬入したい考え。



JAXAによれば、入笠山光学観測施設では数十cm級の小さな未知デブリを検出する画像解析手法の確立に向けた研究開発のほか、光学望遠鏡を利用した観測システムの開発や小惑星・水星などの天体の検出も実施しているという。JAXAのデブリ観測施設としては、このほか岡山県の美星スペースガードセンター上斎原スペースガードセンターがある。


入笠山設備改修の入札は来月8日を予定している。入札参加書類の提出期限は7日17時まで。




詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

JAXA、無人航空機運航管理システムの研究開発に着手。有識者等による委員会を立ち上げ。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、無人航空機の運航管理システムの研究開発に向けて、有識者や企業、関係府省らで構成される委員会を立ち上げる。JAXAが研究開発を進める運航管理コンセプトやシステム設計について、有識者等の委員会を介して検討・合意形成を図りたい考えだ。



JAXAが行う運航管理システムの研究開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の一環として実施される。NEDOが公募した研究開発業務のうち、JAXAが運行管理システムの上流段階の設計を担当している。


JAXAは、今後10年程度における無人航空機の用途・利用形態や法規制の動向を想定しながら、空域や電波の安全・効率的な利用方法やセキュリティ・プライバシー保護を含む機体や運航者の登録・認証方法等の運航管理コンセプトについて検討を具体化していく構え。検討された運航管理コンセプトからシステムの設計も行うとしている。これら運航管理コンセプト・システム設計の過程で、有識者や企業、関係府省等と連携・協力しつつ、合意形成を図るため、「推進委員会」を設立する。推進委員会は四半期に1度程度の開催頻度で、今年度は10月、12月と来年3月に開催される予定だ。


JAXAは、今回開発を目指す無人航空機の運航管理システムについて、新しい交通管理/管制の概念であるとし、対象空域における全ての機体、気象や地上構造物などの情報を収集・活用することで実現したいとしている。今後、設計に向け政府の検討や法規制等の調査を行う予定だ。


今回JAXAは推進委員会における事務局作業等の支援業務の調達に着手した。支援業務の調達は一般競争入札で行われる。来月12日の入札説明会を経て、26日正午の書類提出、10月6日の入札・開札を予定している。


詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

2017年8月30日水曜日

川本工業、臼田宇宙空間観測所の厨房改修作業を受注。400万円で落札。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、臼田宇宙空間観測所の宿泊棟の厨房改修作業に関する入札結果を公表した。JAXAが公表した入札結果によれば、横浜市の川本工業が400万円で落札した模様。



川本工業は昭和5年創業の修繕作業・リフォームなどを専門とする企業。今回、JAXAが厨房の改修にかかる役務の提供について入札を行い、結果、400万円で川本工業が落札した形だ。


詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

防衛省競争的資金:JAXA極超音速技術など14課題を採択

防衛装備庁は29日、同庁の競争的資金制度「安全保障技術研究推進制度」の平成29年度分の新規採択結果を公表した。公的研究機関や大学、企業等から104件の応募があり、14課題を採択している。



安全保障技術研究推進制度
出展:防衛装備庁説明会資料




安全保障技術研究推進制度は、将来の防衛分野の研究開発に資する基礎研究を対象とした競争的資金。平成29年度で3年目を迎え、既に「塗料より軽い」電子顕微鏡レベルの構造による発色技術などの成果が創出されているという。従来の数千万円規模の研究に加え、今年度からは5年で最大20億円を投じる大型研究も採択する大幅な拡充がなされ、募集件数(104件)・採択件数(14件)ともに過去最大となった。


(参考)防衛省が公表した新規採択課題のうち、航空宇宙関連と思われる主なもの

  • 極超音速飛行に向けた流体・燃焼の基盤的技術 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
  • 無冷却タービンを成立させる革新的材料技術に関する研究 IHI
  • マルチアングル3次元ホログラフィックGB-SARによる不均質媒質内埋設物の高分解能な立体形状推定に関する研究 JAXA
  • 電気化学的手法によるCFRP接着界面域におけるエポキシ当量測定 JAXA


詳細は防衛装備庁による採択研究課題の公表を参照。
防衛省「安全保障技術研究推進制度の平成29年度採択研究課題について
防衛装備庁「平成29年度新規採択研究課題について
防衛装備庁「平成29年度安全保障技術研究推進制度応募概要
防衛装備庁「平成29年度安全保障技術研究推進制度公募説明会
防衛装備庁「安全保障技術研究推進制度

2017年8月29日火曜日

準天頂衛星「みちびき4号機」、10月10日打上げへ。

三菱重工宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日、H-2Aロケット36号機による準天頂衛星「みちびき4号機」の打ち上げを10月10日に予定していると発表した。種子島宇宙センターより、同日午前7時頃の打ち上げ予定。



「みちびき4号機」により、東西南北、高さ、時刻の計算に必要な4機体制が完成される。政府は4機体制の整備を通じて、来年度からセンチメートルレベルの精密な位置情報の提供を開始し、自動走行、あるいは観光アプリ、災害情報通報などの新たなビジネスチャンスの創出が期待できるとしている。


詳細はJAXAなどのプレスリリースを参照。
三菱重工・JAXAプレスリリース「H-H-IIAロケット36号機による「みちびき4号機」(準天頂衛星)の打上げについて



2017年8月28日月曜日

グアテマラ外相更迭か。訪日中、筑波宇宙センター等視察予定。

外務省は25日、グアテマラのモラレス外務大臣が、27日から29日まで訪日すると発表した。他方、NHKや共同通信などによれば、モラレス大臣が解任されたと報じられており、グアテマラ外務省のウェブページにおいても、モラレス大臣と別の人物が大臣として紹介されている。発表日時点で外務省はモラレス大臣が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センター等を視察する予定としていた。



外務省のウェブサイトのうち、グアテマラに関するページでは、モラレス大臣の紹介が維持されている。筑波宇宙センター等の訪問目的、具体的な日時、変更の有無等は明らかにされていない。外務省は今回のモラレス大臣訪日により、「モラレス外務大臣の訪日により,我が国とグアテマラとの友好協力関係が一層強化されることが期待され」るとしていた。


詳細は外務省の報道発表を参照。
外務省報道発表「モラレス・グアテマラ外務大臣の訪日

コマツとオリックス・レンテック、ドローン事業で提携。測量業務支援サービスを提供。

小松製作所(コマツ)オリックスレンテックは25日、新たにドローン事業で提携し、「測量会社向け3次元測量業務支援サービス」の提供を開始すると発表した。オリックスレンテックがドローンなどの機材を貸し出し、コマツが計測データ3次元化などの処理を提供することで、機材調達とデータ処理をまとめて測量会社へ提供するという。


今回開始されるサービスでは、オリックスがドローンやローバといった測量機器をコマツに提供し、コマツがデータ処理ソフトウェアを添えて、測量会社へパッケージで提供する。コマツなどによれば、本サービスを通じて測量会社のドローン導入に伴う初期投資の軽減などにつなげることが期待できるという。両社は「ドローンの測量への利活用を促進することで、建設現場が抱える課題解決の一助となり、安全で生産性の高い建設現場の実現に貢献することを目指」すとしている。


詳細はコマツなどのプレスリリースを参照。
コマツ・オリックスレンテックプレスリリース「コマツとオリックス・レンテックがドローン事業で提携 「測量会社向け3次元測量業務支援サービス」提供開始

ホンダジェット、同クラスで世界最多の納品。2017年上半期。

本田技研工業(Honda)の子会社、ホンダエアクラフトカンパニーは16日、今年上半期における小型ジェット機市場で世界最多の納品を達成したと発表した。米国、カナダ、メキシコや欧州で24機を納品した。



ホンダジェットの開発責任者、藤野ホンダエアクラフトカンパニー社長は、ホンダジェットを「先進機能を搭載し、高性能で俊敏な操縦性能を実現したジェット機」とし、「空飛ぶスポーツカー」と例える。ホンダジェットは、平成27年12月から順次納品され、現在は北米や欧州のほか、中南米や東南アジアでも販売されている。


詳細はHondaのプレスリリースを参照。
Hondaプレスリリース「HondaJet、2017年上半期のカテゴリー別最多デリバリーを達成」

JAXA、プロジェクトマネジメントに関する研修を実施。企画提案を募集。予算額350万円。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、プロジェクトマネジメントに関する研修の調達に着手した。350万円を上限として企画提案を募り、研修実施者を選定する予定。



今回の調達は、企画提案の競争による企画競争で実施される。企画提案書の締め切りは来月19日まで。


詳細はJAXAの公告を参照。
JAXA公告「平成29年度プロジェクトマネジメント(PM)中級研修の実施
JAXA契約・調達情報「技術提案方式・企画競争・参加者確認公募の公告/選定結果の公告

2017年8月26日土曜日

ムラヤマ、筑波宇宙センター特別公開開催支援業務を受注。214百万円で落札。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、筑波宇宙センター特別公開に関する開催支援業務の入札結果を公表した。ムラヤマが214万円で落札している。



特別公開は9月30日(土)に開催予定。水ロケット工作教室や大西宇宙飛行士の講演、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」(JEM)の運用管制官の模擬体験などのイベントが予定されている。


ムラヤマは明治35(1902)年創業のイベント・ディスプレイ企画会社。過去にはビートルズ来日公演のステージを制作したほか、東京オリンピック、大阪万博、日韓ワールドカップにも参画した実績を持つ。今回の特別公開開催支援業務の入札はいったん、応札者が存在しない「入札不調」となっていたが、JAXAの再入札に対し、ムラヤマが応じ、214万円で落札した。ムラヤマの他に応札者が存在したのかは明らかにされていない。


特別公開の詳細についてはJAXAの「ファン!ファン!JAXA」などを参照。
JAXA「9月30日(土)筑波宇宙センター特別公開開催!!
JAXA「ファン!ファン!JAXA

特別公開の支援業務の調達の詳細については、JAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報


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2017年8月25日金曜日

JAXA、宇宙センター内のイノシシ捕獲を実施。280万円投じる。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)角田宇宙センター内のイノシシ捕獲に着手したことが分かった。280万円を投じて東北野生動物保護管理センターにイノシシの捕獲作業を発注している。



角田宇宙センターは宮城県角田市に所在するロケットエンジンの研究などを行うJAXA事業所。。東京ディズニーランド2個分の1.7平方kmの敷地を持つ。最寄駅から3km、最寄りのコンビニまで1km。市街地とは自衛隊駐屯地、工業団地を挟んだ形で位置し、「イノシシが駆け回り、白鳥が羽を休める豊かな自然の中」(角田宇宙センター勤務経験のあるJAXA職員)にあるという。


JAXAでは昨年度以来、角田宇宙センターにおけるイノシシ対策関連の発注が続いている。昨年夏に「イノシシの生息・被害状況調査及び危険防止対策企画」を求め、同年11月と今年6月にイノシシの捕獲作業を実施している。さらに、「イノシシ侵入対策」用に約1,900万円で事業所外周のフェンスを補強するなど、四半期に一度、イノシシ関連の入札を行っている状況だ。


今年宮城県が策定した「第三期宮城県イノシシ管理計画」で、角田市は「重点区域」21市町村の1つに指定されている。近年宮城県内のイノシシの生息分布は「確実に広がっている」とみられるが、角田市では宮城県内でもいち早くイノシシの農業被害が報告されている。平成23年時点で、宮城県内のイノシシの生息数は約2万5千頭に上る(県の推計)。


角田宇宙センターにおけるイノシシ対策関連調達
平成28年
 7月 イノシシの生息・被害状況調査及び危害防止対策企画の提案
    →135万円で東北野生動物保護管理センターが受注
11月 イノシシ捕獲他作業
    →194万円で東北野生動物保護管理センターが受注

平成29年
 1月 イノシシ侵入対策用外周フェンス補強作業
    →1,890万円で八重樫工務店が受注
 6月 イノシシ捕獲作業
    →280万円で東北野生動物保護管理センターが受注


詳細はJAXAの「契約に係る情報の公表」を参照。
JAXA「契約・調達情報

2017年8月24日木曜日

太陽観測衛星「ひので」、アメリカ横断皆既日食を観測。JAXAと国立天文台、NASA。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)自然科学研究機構国立天文台は22日、太陽観測衛星「ひので」(SOLAR-B)による皆既日食の観測画像・動画を公開した。両機関とNASAが共同で実施した。



「ひので」はJAXAの宇宙科学研究所が中心となり、国立天文台やNASA等が共同開発に参加した太陽観測衛星今回は22日のアメリカ横断皆既日食の機会に、X線望遠鏡で太陽を撮影した。JAXAと国立天文台などによれば、皆既日食は太陽コロナ観測などの貴重な機会であり、今回の観測結果については、人工衛星や地上の電子機器に影響を与える太陽風や太陽フレアの発生予測につながることが期待されるという。


詳細はJAXAなど「ひので観測チーム」による観測画像・動画を参照。
JAXAなど「太陽観測衛星「ひので」が撮影したアメリカ横断皆既日食の画像・動画を公開

2017年8月23日水曜日

JAXA、臼田後継局の空撮画像を公開。アンテナ基礎部鮮明に。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、建設中の深宇宙探査用地上局(GREAT)をドローンで撮影した空撮画像をフェイスブック上で公開した。画像からはアンテナの根元にあたる基礎部の形が鮮明に読み取れ、建設の進展が伺える。JAXAによれば、残り2か月をかけて基礎工事を完成させる予定だという。



JAXAは現在、長野県佐久市の臼田宇宙空間観測所で世界最大級の64mアンテナを運用している。過去には小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の通信を担ったことでも知られるが、老朽化対策や「はやぶさ2」(hayabusa2)で利用するKa帯への対応から、後継局の整備が求められてきた。このため、JAXAは後継局整備に向けて、衛星のプロジェクト管理に準じた「GREATプロジェクト」を設置し、後継局の研究開発・建設に取り組んでいる。


GREATは現在の64mアンテナ近傍の国有林で建設が進められている。アンテナのお椀にあたる部分の直径は54mで、現行局より小さいが、アンテナ表面の凸凹を0.6mm以下の精度とすることなどで、受信性能を維持することができるという。GREAT局の開局は平成31年度を予定している。


詳細はJAXAのフェイスブックアカウントなどを参照。
フェイスブック「JAXA 深宇宙探査用地上局
ファン!ファン!JAXA「次の宇宙探査の時代に向けて




JAXA、大樹航空宇宙実験場の設備を改修。330万円。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、大樹航空宇宙実験場における光学研究用実験格納設備等の改修の入札結果を公表した。高橋工務店が330万円で受注している。

※「高」は旧字、いわゆる「はしごの高」


大樹航空宇宙実験場は地元大樹町とJAXAとの連携協力拠点。大気球実験や宇宙空間からの再突入・回収を目指した小型カプセルの落下試験などを実施する際の、気球・ヘリコプターの発進拠点として利用されている。


詳細はJAXAの「契約に係る情報の公表」を参照。JAXA「契約に係る情報の公表(平成29年度)JAXA「契約・調達情報

アクセルスペース、気象・海象観測超小型衛星の観測画像公開。北極海航路の開拓目指す。

アクセルスペースは9日、ウェザーニューズと共同開発で先月14日に打ち上げた気象・海象観測超小型衛星「WNISAT-1R」による地球観測画像取得に成功したと発表した。衛星は現在、基本的な動作確認を行う「クリティカルフェーズ」を終え、濤崎観測機器等の状況確認が行われている。



WNISAT-1Rは海氷観測の観測のほか、火山や台風の観測等を光学カメラで行う超小型衛星。重さわずか43Kg。今回アクセルスペースが公開した初観測画像では、北極海やグリーンランド沖合の海氷、台風五号などの撮像に成功していることがわかる。


WNISAT-1Rなどにより、北極海の海氷を衛星から観測することで、航路上の安全が確保され、北極海航路の実用化が期待できるという。北極海航路が実用化された場合、日欧の輸送距離はスエズ運河周りに比べ2/3に短縮される。この他、WNISAT-1Rでは台風や火山の観測、光通信の基礎技術実証実験もミッションとしている。


アクセルスペースによる動作環境終了後、衛星の運用はウェザーニューズが担当する予定。ウェザーニューズは、WNISAT-1Rの観測情報を気象・海象の予測精度向上と船舶・航空機向け運航支援サービスに活用していきたいとしている。


詳細はアクセルスペースのプレスリリースなどを参照。
アクセルスペースプレスリリース「「WNISAT-1R」ファーストライト画像を公開
アクセルスペース「WNISAT-1R
ウェザーニューズ「WNISAT-1R

ISEF2サイドイベントに向けたプレイベント開催。野村総研とJAXA。

第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)と同時開催予定の産業界向けサイドイベント「I-ISEF」に向け、プレイベントが開催されることになった。野村総研宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主催する。



野村総研は今年4月、27百万円でISEF2サイドイベントの企画業務などを受注している。今回は二種類あるサイドイベントのうち、産業界向けに開催予定のI-ISEFに向け、パネルディスカッションなどのプレイベントをJAXAと共催する。野村総研とJAXAは、今回のプレイベントを通じて「宇宙探査ビジネスの理解促進、裾野拡大、認知度向上」につなげたい考えだ。


プレイベントは9月22日(金)17時から、野村総研の東京本社で開催される。「宇宙探査の先にある未来社会像」と題し、ATカーニーの石田プリンシパル、宇宙旅行専門会社クラブツーリズム・スペースツアーズの浅川社長らが、また「2030年の宇宙経済圏ー今求められるアクションー」と題してispaceの中村CCOなどが登壇する予定だ。先着100名までの参加としている。


ISEFは宇宙探査の重要性や国際協力の重要性等の共有を目的とした国際会議。各国の閣僚や宇宙機関の長などが参加する予定。2回目となるISEF2は来年3月に国内で開催される。


詳細は野村総研のI-ISEFプレイベントに関するウェブページを参照。


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2017年8月22日火曜日

小型月着陸実証機(SLIM)、H-IIAロケット相乗りによる打上げ検討へ。初期検討に着手。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が計画中の小型月着陸実証機(SLIM)について、H-2Aロケットの相乗りによる打ち上げを検討していることが分かった。JAXAは当初、SLIMについてはイプシロンロケットによる打ち上げを行うとしていたが、今年6月、三菱重工に対し、H-2Aロケットの相乗りの初期検討を発注した。



SLIMは日本初の月着陸実験機。JAXAの宇宙科学研究所において研究開発が行われている。開発は技術提案方式により三菱電機が受注した。


今回JAXAはH-2Aロケットの民間移転先である三菱重工に対し、SLIMのH-2A相乗りの検討を随意契約で発注。JAXAによれば、検討にはH-2Aロケットの能力等に関する技術情報が必要であり、三菱重工以外には担えないとしている。


詳細はJAXAの「契約に係る情報の公表」を参照。
JAXA「契約に係る情報の公表(平成29年度)
JAXA「契約・調達情報

JAXA、2020年代後半の低ブーム超音速旅客機開発に向け、実証機の概念検討に着手。超音速機市場の先取り目指す。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は21日、静粛超音速機に関する技術実証機の概念検討業務の調達に着手した。JAXAによれば、今後実証機の機体仕様を絞り込む上での判断材料として、検討能力を有する企業等の入札参加をもとめている。



これまでJAXAは従来より低騒音で飛行する超音速旅客機の開発につながる技術として、ソニックブーム(航空機が音速を突破した際に生じる衝撃波)を低減させる機体の設計技術の実証を目的としたD-SENDプロジェクトなどに取り組んできた。D-SENDでは、ソニックブームを低減する設計コンセプトの有効性を世界で初めて実証しており、国際民間航空機関(ICAO)におけるソニックブームの基準策定にも貢献しているという。


平成26年に文部科学省が発表した次世代航空機戦略ビジョンでは、「我が国の航空機産業が自動車産業に比肩する成長産業として発展するため」に、超音速機の研究開発に取り組みマーケットでの主導権を握る戦略が示されている。JAXAも、過去に航空技術委員会で「アジア圏を日帰り可能とする超音速旅客機の実現」を「価値ある技術」として位置づけ、「静粛超音速機」の設計技術の研究開発を進めていく認識を示している。


JAXAは、現在進める研究開発を通じて、エンジン付き機体形状における設計技術や、低騒音着陸などとの両立といった技術を実証したい考え。今回は、将来JAXAが策定する実証機案の基礎資料として、検討能力を持つ企業に対し、目標性能や主要性能、技術実証可否、プロジェクト規模や開発機関の検討を求めている。検討企業の選定は価格を評価する一般競争入札にて行われる。来月8日に入札説明会が開催され、12日までの参加申し込みを経て、21日に入札・開札が行われる見通し。


過去にJAXAが超音速実験で使用した実験機
(C)航空宇宙経済新聞


詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

2017年8月21日月曜日

JAXA、種子島宇宙センターでプレハブ会議室を調達。「燃焼試験会議室」として使用。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、種子島宇宙センターで使用するプレハブ会議室の調達に着手した。JAXAが公開した入札公告や調達仕様書によれば、鉄骨式のプレハブを1棟借り上げ、種子島宇宙センター内に「燃焼試験会議室」を設置する予定だ。



JAXAは平成30年3月末までプレハブを借り上げる予定。調達は、価格を競争する一般競争入札で行われる。来月1日までの参加申し込み提出を経て、同4日には開札される見通し。


詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

国際宇宙探査フォーラムのサイドイベントが公表。若手と産業界向け2種類。

政府が主催予定の国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)に合わせて、学生・若手社会人と産業界向けに、それぞれサイドイベントが開催されることが分かった。関係府省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が10日、発表した。


ISEFは宇宙探査の重要性や国際協力の重要性等の共有を目的とした国際会議。各国の閣僚や宇宙機関の長などが参加する予定。2回目となるISEF2は来年3月に国内で開催される予定。


文科省とJAXAは18歳から35歳までの学生、若手社会人らを対象に、施設見学やワークショップ、キャリア相談などのサイドイベントを開催する予定。また、産業界向けにもISEF2と同会場でイベントが開催される予定だ。


各サイドイベントの詳細は今年秋以降順次周知がなされる予定。ISEF2をめぐっては、林文部科学大臣がサイドイベントの開催を検討していることを明らかにしていた。


詳細は内閣府、文科省、経産省、JAXA連名によるプレスリリースを参照。


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JAXAシンポジウム、来月12日に開催。毛利宇宙飛行士「ふわっと’92」から25周年を記念。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、来月12日に東京都内でシンポジウムを開催すると発表した。JAXAシンポジウムとして毎年開催しているもの。今年は日本人宇宙飛行士初の宇宙活動となった「ふわっと’92」実験から25周年の節目となることから、毛利飛行士本人を来賓として招く予定。



今回JAXAは「SPACE INNOVATION -未来のその先へ-」と題し、奥村理事長からJAXAの活動内容や将来に向けた検討状況の紹介が行われるほか、現在宇宙政策委員を務める山崎宇宙飛行士や政研大角南副学長、アストロスケールのブラッカビーCCOなどを招き、「宇宙開発利用の将来展望」と題したパネルディスカッションを行う予定。


有楽町朝日ホールで午後18時30分から20時30分まで開催される。参加費は無料、先着700名までの受付としている。


詳細はJAXAのプレスリリースを参照。
JAXAプレスリリース「JAXAシンポジウム2017「SPACE INNOVATION -未来のその先へ-」開催のご案内

2017年8月19日土曜日

【速報】「みちびき3号機」打上げ成功。H-IIAロケット35号機から分離。

「みちびき3号機」を搭載したH-IIAロケット35号機は種子島宇宙センターから打ち上げられ、衛星を分離した模様。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が配信した映像などから確認された。



今年6月に公開された「みちびき3号機」
提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局

2017年8月18日金曜日

JAXA、種子島宇宙センター用の重油4,000キロリットルを調達。発電所需要をまかなうねらい。一般競争入札で。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、種子島宇宙センター向けのA重油の調達に着手した。JAXAが公開した仕様書によれば、今年10月から3月までの下期の間に、種子島宇宙センター内の大崎発電所、大崎第2発電所などに総計4,000キロリットルの需要が見込まれるという。



今回JAXAは今年度下期分として、油槽所の利用など一定の条件を満たす業者の入札参加を求めている。事前審査を経て競争入札により契約相手方の選定を行うとしており、来月8日までの入札参加申し込みを求めている。開札は来月13日を予定している。


JAXAはこれまでも半年に一度のペースでA重油の調達を行っている。JAXAがこれまで公開した入札結果によれば、種子島宇宙センターにおけるA重油の納入価格はおむね石油市場のトレンドに連動している。


JAXAの公開した過去の入札実績より作成。
(C)航空宇宙経済新聞


詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

2017年8月17日木曜日

三井住友海上、「損保ビジネス最前線」として宇宙保険を特集。「保険の新たな領域に挑戦」

三井住友海上がウェブサイト上で宇宙保険を特集している。新卒採用向けの「スペシャルコンテンツ」として、損保ビジネスの最前線を取り上げたもの。スペシャルコンテンツのうち「挑戦編」として新たな領域である宇宙保険を取り上げた形だ。



コンテンツでは、人工衛星にまつわる「打上げ」や「軌道上運用」を2大リスクとして紹介し、リスク管理として損害保険への加入の必要性を解説している。三井住友海上の「宇宙保険チーム」では、人工衛星やロケットの調達段階から、顧客と人工衛星製造メーカや打上げ輸送サービス会社との契約内容をチェックしているという。調達から打上げまで通常2年がかかるところ、担当者が継続的に情報収集などに取り組む。ロンドンを中心とした宇宙保険市場を介して再保険を手配していることも明らかにしている。


三井住友海上は東京海上日動などとともに、これまでも宇宙航空研究開発機構(JAXA)イプシロンロケット全球降水観測計画(GPM)にかかる宇宙保険を受注してきた実績がある。最近は、交通広告や新聞広告などでも宇宙保険を紹介している。JAXAなどの発注する宇宙保険の受注実績を持つ保険会社としては、三井住友海上や東京海上日動の他、損保ジャパン日本興亜も参加実績を持つ。


平成28年に成立した宇宙活動法により、民間企業に対してもロケット打上げにかかる宇宙保険締結などの損害担保措置を講じる義務が課せらることとなった。また、JAXAについては、人工衛星等を打ち上げる際の必須条件として、宇宙保険を締結することがJAXA法で規定されている。


詳細は三井住友海上のウェブサイトを参照。
三井住友海上「損保ビジネス最前線 挑戦編 宇宙保険
三井住友海上「損保ビジネス最前線


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東京海上など損保各社、国際共同降水観測計画関連の宇宙保険を受注。 全球降水観測計画(GPM)に関する打上げ保険など。
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データ中継衛星「こだま」(DRTS)、運用終了。宇宙ステーションや地球観測衛星をつないだ15年。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、データ中継衛星「こだま」(DRTS)の運用を終了し、停波したことを発表した。衛星の経年劣化が進んだため、先月31日から運用停止作業を進めていた。


「こだま」は、衛星間通信技術やデータ中継運用技術の開発・実証を目的とした研究開発衛星。平成14年9月に種子島宇宙センターから打ち上げられ、翌年1月から定常運用を開始した。定常運用期間7年に対し倍以上にあたる15年間の運用の結果、衛星の経年劣化が進み、今回の運用終了に至った。


地上700Kmの衛星などと地上とで直接通信では、アンテナの可視領域に限っての通信となるため、1回10分程度と通信可能時間が限られる。静止軌道上の「こだま」が国際宇宙ステーション(ISS)や地球観測衛星と地上を中継することで、通信可能範囲が劇的に広がることになった。「こだま」は、定常運用開始から3か月間で陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の観測データを約600TB分中継した。これは、従来JAXAの地球観測センターが30年かけて受信してきたデータ量約180TBをはるかに上回り、我が国の地球観測データ取得量を飛躍的に増加させたことが分かる。平成21年9月時点では「だいち」の観測データの98.9%が「こだま」の中継によりもたらされている。


このほか、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」(JEM)との通信を中継し、国際宇宙ステーションにおける日本独自の回線として、実験データの迅速な取得に貢献したという。


JAXAは「こだま」の後継として、「光データ中継システム」(JDRS)の開発を進めており、平成31年度の打上げを目指している。電波による中継をおこなった「こだま」と異なり、レーザー光を用いるのが特徴で、通信速度の大幅な高速化や小型化が可能になるという。


詳細はJAXAのウェブサイトを参照。
JAXA「「こだま」の運用終了について

JAXA、種子島宇宙センターで使用するダンプ車を調達。牧自動車整備工場が約350万円で受注。一般競争入札で。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は先月28日、種子島宇宙センターにおける公用車に関する入札結果を公表した。JAXAが公開した入札結果によれば、南種子町の牧自動車整備工場が約350万円で落札している。



入札は、価格以外の性能等も評価する総合評価方式で行われた。近年JAXAは環境配慮契約法に基づく「グリーン契約」の一環として、総合評価方式による自動車の調達が続いている。


詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

「みちびき3号機」19日14時29分に打上げへ

三菱重工宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H-IIAロケット35号機による「みちびき3号機」(準天頂衛星システム 静止軌道衛星)の打上げを19日の14時29分に打ち上げることを発表した。



16日に公表した打ち上げ日における具体的な打上げ時刻を公表したもの。


JAXA、筑波宇宙センター特別公開の詳細を発表。水ロケットや大西飛行士講演、宇宙ステーション管制官の模擬体験も。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日までに平成29年度の筑波宇宙センター特別公開の詳細を公表した。JAXAの公表によれば、水ロケット工作教室や大西宇宙飛行士の講演、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」(JEM)の運用管制官の模擬体験などのイベントが開催される予定だ。



筑波宇宙センター
(C)航空宇宙経済新聞


筑波宇宙センターでは基幹ロケットや宇宙ステーション、人工衛星の研究開発・運用が行われている。今回JAXAでは、筑波宇宙センターの施設を一般に開放し、これらの研究開発・運用業務を広報する。毎年恒例の水ロケット工作教室や宇宙飛行士による講演に加え、「巨大イプシロン水ロケット打上げ」や「アンテナ選抜総選挙」、宇宙ステーションや衛星試験のVR体験が予定されている。


水ロケット工作教室や大西飛行士講演会、「きぼう」運用管制官 模擬体験コーナーなどの一部イベントはウェブサイト上での事前申し込みとなっている。受け付けは手話通訳が8月25日から、その他の対象イベントは9月1日からの受付開始予定。


詳細は「ファン!ファン!JAXA」を参照、

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SED、西之島の衛星画像を公開。陸域幅1.5Km以上に広がる。

宇宙技術開発(SED)は先月28日、西之島の最新の衛星画像を公表した。米国地質調査所が運用するランドサット8号により撮影された。最新の衛星画像によれば、西之島の陸域幅が1.5Kmを超えるサイズに拡大したことが読み取れる。



西之島の最新衛星画像
(C)宇宙技術開発株式会社


西之島周辺海域では平成25年11月に噴火が発生。同年12月には新島の形成が確認され、翌年1月には旧西之島と新島が一体化した。これまでにはパスコが衛星画像による経過観測結果を公表したほか、JAXAが台湾衛星の観測画像や航空機搭載Lバンド合成開口レーダ「Pi-SAR-L2」による観測結果を公表している。


SEDは今回公表した衛星画像のほか、赤外カラー画像、西之島周辺の推移映像などを公表している。SEDはこれまでも十州北部豪雨や熊本地震の被災地における被災前後の衛星画像や、つくば市等の30年の経年比較など衛星画像による経過比較、経年変化を公表している。


気象庁がまとめた西之島の火山活動に関する解説資料によれば、今月2日時点においても断続的な噴火が確認されており、今後も噴火が継続する可能性があるとしている。


詳細はSEDの「Landsat他衛星画像ギャラリー」を参照。
SED「「西之島最新画像(Landsat-8/OLI+TIRS)」(2014年5月26日~2017年7月28日公開)
SED「Landsat他衛星画像ギャラリー

画像の転載等についてはSEDが定める条件(http://www.sed.co.jp/sug/contents/gallery/topgallery_use_note.html)によります。


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2017年8月16日水曜日

JAXA、電通の競争参加資格を停止。労基法違反を受け、文科省の措置に連動。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が先月中旬から電通の競争参加資格を停止していることが分かった。JAXAによれば、昨年12月に書類送検された同社の労働基準法違反を受けて文部科学省が講じた指名停止措置に準じたとしている。指名停止期間について現時点では明記されていない。



競争参加資格が停止された場合、競争入札や企画競争などへの参加が制限されることになる。JAXAが公表している競争参加資格停止規定によれば、文部科学省が指名停止措置を講じた場合、連動することとしている。


近年JAXAは、「「きぼう」を利用した社会課題の解決を目指すアイデア提案」の採択結果に基づくロボット宇宙飛行士キロボの開発や国際宇宙ステーション(ISS)に関する広報・普及活動の検討などを電通に発注している。


詳細はJAXAの契約・調達情報を参照。

JAXA「競争参加資格停止業者一覧(平成29年度)
JAXA「競争参加資格の停止について
JAXA「契約・調達情報

JAXA、ロケット関連回線網の調達に着手。筑波宇宙センター等とメーカを結ぶ。一般競争入札で。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は16日、筑波宇宙センター等と国内のロケットメーカを結ぶ回線網の調達に着手した。今回JAXAは、平成29年10月から平成34年9月末までの間、筑波宇宙センターや相模原キャンパスと三菱重工の名古屋航空宇宙システム製作所名古屋誘導推進システム製作所など国内メーカの各拠点を結ぶ回線を借り上げる契約を締結する。合わせて内之浦宇宙空間観測所と種子島宇宙センターやIHIエアロスペースの富岡事業所を結ぶ回線も借り上げる。



今回JAXAは、関係各所を結ぶ回線について、5年分の借り上げ契約を一般競争入札により調達する。入札の参加に当たっては来月1日までの書類提出が求められている。入札は来月5日までに行われ、即日開札される見込み。


種子島宇宙センター(遠景)
(C)航空宇宙経済新聞


詳細は、JAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

「みちびき3号機」、19日打上げへ。打上げ日時再設定。

三菱重工宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、中止していたH-IIAロケット35号機による「みちびき3号機」(準天頂衛星システム 静止軌道衛星)の打上げを19日に実施すると発表した。H-IIAロケット35号機の打ち上げは当初12日に予定されていたが、「ロケットの推進系等に確認すべき事項が生じた」として、中止していた。



ロケット推進系統の調査の結果、原因を特定し、対策処置が完了したとしている。

詳細はJAXAなどのプレスリリースを参照。
三菱重工・JAXA「H-IIAロケット35号機による「みちびき3号機」(準天頂衛星システム 静止軌道衛星)の打上げ日について

JAXA地上設備の火災保険、海外勢の受注相次ぐ。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発注する海外局の火災保険契約について、海外勢が相次いで受注していることが明らかになった。JAXAが公開した平成29年度の契約実績によれば、グアムダウンレンジ局の火災保険、クリスマスダウンレンジ局の火災保険ともに、入札を実施したものの入札者が存在しなかったため、各局所在地の現地保険会社に対して随意契約により発注がなされた形だ。



グアムダウンレンジ局はHⅡ-AロケットHⅡ-Bロケット等の打上げ等で使用されているJAXAの施設。三菱重工とJAXAによる打上げ計画書においても種子島宇宙センター等とならんで打上げ業務の「実施場所」として位置付けられている。


クリスマスダウンレンジ局も同様にロケット打上げに使用される施設。JAXAによれば、昭和51年(1976年)に、クリスマス島を領有するキリバス政府の支援により設置された。過去にはM-Ⅴロケット6号機の打上げにあたり、同ロケット3段目に搭載されたテレメータの電波受信に使用された実績がある。


JAXAが公開した契約実績によれば、今年5月、グアムダウンレンジ局について約380万円で現地保険会社のCassidy's Associated Insurers Inc.が受注しているほか、クリスマスダウンレンジ局についてはタワラ島のキリバス保険が約490万円で受注していることが明らかにされている。


詳細はJAXAの「契約に係る情報の公表」を参照。
JAXA「契約に係る情報の公表(平成29年度)
JAXA「契約・調達情報


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東京海上など損保各社、イプシロンロケット関連保険を受注。

内閣府、準天頂衛星システムに関する技術管理等調査従事者を公募。実用サービスに向け。

内閣府は4日、「準天頂衛星システムの技術監理等調査」業務について公募を開始した。今年度の2号機から4号機までの打上げ等を通じて次年度から始まる実用サービスを見越し、専門知識を有する機関による支援を受けながら進めていきたい考えだ。



準天頂衛星システムを所管する内閣府は、次年度の準天頂衛星システム実用サービス開始に向けて、衛星軌道上機能確認等の作業を実施予定であり、同作業を「準天頂衛星システム事業全体の成否を左右する重要なもの」と位置付けている。このため、技術的妥当性等について、精通した技術者等の確認作業を十分に踏まえた上で政府として判断を進めていく構えだ。


内閣府は、今回の公募を通じて、準天頂衛星システムに係る設計作業等について、専門的知識を有する機関により、技術的妥当性等を第三者的に調査しながら進め、将来の独立評価体制構築を図りたい考え。公募を通じて応募要件を満たす機関が1者に限定されると認められる場合は随意契約を締結し、複数者の該当があった場合には企画競争により、従事機関を選定する予定。主な応募要件は次のとおり。

  1. 衛星測位システムに関する技術に精通しており、かつ衛星測位システムの構築における総合システムの設計を組織的に実施した経験を有していること
  2. 衛星システムの設計・製造の監督業務に関する知見及び経験を有していること
  3. 準天頂衛星初号機「みちびき」の開発及び運用に関する知見を有していること
など



応募締め切りは今月17日正午。提出先は内閣府宇宙開発戦略推進事務局となっている。


詳細は内閣府の公示を参照。

2017年8月15日火曜日

亀田製菓「柿の種」、宇宙日本食として認証取得。JAXAから。

亀田製菓は8日、同社の「亀田の柿の種」を「日本の宇宙飛行士が宇宙で食べられるおやつ」として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に申請し、宇宙日本食として認証を取得したと発表した。宇宙日本食は食品メーカが提案する食品をJAXAが評価し、宇宙食としての基準を満足している場合に認証する制度。これまでにもおにぎりやラーメン、カレー、サバの味噌煮などが認証されている。



亀田製菓では、もともとJAXAの宇宙日本食制度をターゲットに、平成26年から柿の種の宇宙日本食認証に向けた開発を続けていた。「柿の種発売50周年」を契機として正式なプロジェクトと位置付け、同社設立60周年を迎えた今年、宇宙日本食の認証獲得に至った形だ。


亀田製菓によれば、今回宇宙日本食の認証を取得した柿の種も、市販の「亀田の柿の種」と同じ原料・製法を用いているという。独特の「カリッとした食感」を残しつつ、繰り返し蓋を開閉したり、固定した場所にくっつけられるパッケージに収納するなど、無重力空間でも飛び散らない工夫がなされている。


亀田製菓は、今後の取り組みとして、日本人宇宙飛行士とともに柿の種が「宇宙に行くことを目指す」としている。現時点で市販の予定はないという。


宇宙日本食としては、このほか、キューピーのマヨネーズや日清食品ホールディングスのラーメン、ハウス食品のカレーやマルハニチロの魚介缶詰、山崎製パンの羊羹、ロッテのキシリトールガムなどが認証を取得している。今回の亀田製菓の発表した「柿の種」の認証について、JAXAの宇宙日本食の一覧表への反映は確認されていない。


詳細は亀田製菓のプレスリリース、JAXAの宇宙日本食に関する公表などを参照。
亀田製菓「「宇宙に飛び立て!「亀田の柿の種」!宇宙日本食「米菓(柿の種ピーナッツ入り)」としてJAXAから認証を受けました!
JAXA「認証された宇宙日本食
JAXA「宇宙日本食


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JAXA、調達等合理化計画を公表。新たに調達マネジメントプロセスに基づく調達を実施。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月30日、平成29年度の調達等合理化計画を公表した。JAXAは総務大臣決定に基づき、毎年度6月末に調達等合理化計画を公表している。昨年度からの新たな項目として、より高い成果を生むプロジェクトの確実な実施に向けて、新たな「調達マネジメントプロセス」による調達を実施するとしている。



計画の冒頭、JAXAは平成28年度の「調達の全体像」を分析し、競争性のない随意契約について「件数、金額ともに増加している」(前年比件数ベース3.9ポイント増、金額比6.5%増)としている。主要因として、特定の企業等でしか実施できない案件の増加や、ロケット打上げ輸送サービスの発注増、H3ロケットに対応する改修があるとしている。


今年度、新規に追加された項目としては、新たな「調達マネジメントプロセス」による調達が掲げられている。より高い成果を生むプロジェクトの確実な実施のため、企業等外部能力の最大限の活用や適性な競争環境の構築が必要として、重点的に以下の取り組みを実施する構えだ。

  1. システムメーカ選定プロセスに役員等経営層が関与すること
  2. プロジェクトの特徴に応じ、権利・義務、責任等の重要事項を個々の契約書に規定することにより契約相手方との認識共有を図ること
  3. プロジェクト実施組織の行う調達マネジメントに対し、調達部として支援すること


JAXAは今後、主務大臣による評価結果を踏まえ、適宜調達合理化計画へと反映していくとしている。主務大臣による評価結果については例年、9月から10月ごろに公表されている。


詳細はJAXAの調達等合理化計画を参照。
JAXA「調達等合理化計画

林文科相、第2回国際宇宙探査フォーラムに向けて国際ビジョン形成の意気込みを表明。産業界や若手関係者向けのサイドイベントも。

林文部科学大臣は、8日の定例記者で第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)に向け、宇宙探査に関する「国際的な共通のビジョン」作りに主導的に取り組む考えを表明した。記者からのISEF2に向けた意気込みに関する質問に答えたもの。




林大臣はISEF2について、宇宙開発の先進国のみならず新興国も参画する、閣僚級を含むハイレベル会合との認識を示したうえで、産業界や若手関係者を対象としたサイドイベントの開催を検討していることを明らかにした。アメリカの有人火星探査計画や欧州における月面基地構想に言及しつつ、宇宙探査の機運が国際的に高まっているとして、各府省と協力しながら、国際共通ビジョンを主導していく構えだ。


詳細は、文科省が公表した林文科相の定例会見の模様を参照。
文科省「林芳正文部科学大臣記者会見録(平成29年8月8日) 

2017年8月14日月曜日

筑波宇宙センター特別公開、9月30日(土)開催。つくば市で。水ロケットや講演会を予定。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、9月30日に筑波宇宙センターを特別公開する。JAXAはこれまでも1年に1回から2回のペースで筑波宇宙センターを一般に公開し、水ロケットの打上げ体験や宇宙飛行士による講演などを催している。平成29年度の特別公開の詳細について、公式な発表はなされていないものの、特別公開に関連しJAXAが行っている調達から、今年度も水ロケットや講演会を予定していることがうかがえる。



10日、JAXAが公開した「平成29年度 筑波宇宙センター特別公開の開催支援」の調達に関する調達仕様書では、特別公開当日用に「水ロケット」や「講演会場」といった立て看板を設置することを求めており、これらのイベントが今年度も開催されることはほぼ確実とみられる。


筑波宇宙センター
(C)航空宇宙経済新聞


このほか、JAXAの調達仕様書によれば、当日はつくばエクスプレスのつくば駅とJR常磐線のひたち野うしく駅からシャトルバスが運航されることが明らかにされている。筑波宇宙センターはつくば市の産業技術総合研究所(AIST)物質・材料研究機構(NIMS)などと隣接するエリアに所在する。最寄駅となるつくば駅からは徒歩35分、ひたち野うしく駅からは車で16分を要するため、シャトルバスが運行される模様だ。


特別公開の支援業務の調達は、10日に入札が行われたが、入札参加者が1者もない「入札不調」の状態となり、同日、再度の公告が公表された。今回の入札は23日までの参加申し込みののち、25日には落札者が決定する予定だ。


特別公開の詳細についてはJAXAの「ファン!ファン!JAXA」などを参照。
JAXA「9月30日(土)筑波宇宙センター特別公開開催!!
JAXA「ファン!ファン!JAXA

特別公開の支援業務の調達の詳細については、JAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報

ロケット打上げ後の「白色粉」、種子島宇宙センター宇宙科学館が周知。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、1日、種子島宇宙センターの所在する鹿児島県熊毛郡南種子町の広報誌「広報みなみたね」を通じて、ロケット打上げ後に降下する可能性のある「白色粉」について周知した。打上げ後、白色粉の降下が予想される場合には、町の防災無線を通じて連絡する予定。



種子島宇宙センターの宇宙科学館が広報誌の連載コーナーにおいて「白色粉の降下について」を取り上げた。これによれば、白色粉そのものは無害で車や洗濯物に付着しても水で洗い流して問題ないとのこと。JAXAは、できる限り車や洗濯物を屋内に入れるよう呼びかけている。


種子島宇宙センター(遠景)
(C)航空宇宙経済新聞


詳細は南種子町の「広報みなみたね」を参照。
南種子町「広報みなみたね(2017年8月号)

セントレア、ボーイング787用部品運搬機「ドリームリフター」見学ツアーを開催へ。

中部国際空港(セントレア)は10日、ボーイング747LCF「ドリームリフター」の見学ツアーを開発することを発表した。夏休み特別イベントと題し、機体内部の見学が可能なツアーを企画している。



ドリームリフターはボーイング787用部品の輸送に使用される大型輸送機。「ジャンボジェット」の愛称で親しまれたボーイング747をベースとし、現在全世界で4機が運用中。日本では唯一、セントレアに就航している。セントレアによれば、ボーイング787の部品の35%は日本企業が製造しているという。三菱重工大江工場のほか、川崎重工SUBARU等が製造した部品は、工場から海路でセントレアに搬入され、ドリームライナーに積載される。


今回セントレアでは応募者から抽選で20名を対象に見学ツアーを開催する。応募締め切りは今月15日。見学ツアーは27日11時からを予定している。


詳細はセントレアのウェブサイトを参照。
セントレア「中部国際空港 セントレア DREAMLIFTER TOUR 2017年8月27日(日)
セントレア「FLIGHT OF DREAMS

キヤノン電子ほか4社、商業打上げ輸送サービスに参入へ。企画会社を新設。

キヤノン電子IHIエアロスペース日本政策投資銀行清水建設は、9日、共同で「新世代小型ロケット開発企画株式会社」を発足させると発表した。今後、国内外において、成長が見込まれる小型衛星の打上げ需要の獲得を目的とした商業打上げ輸送サービスの事業化を企図している。



キヤノン電子が70%、他の3社が各々10%ずつ出資して設立される新会社では、小型衛星を専用で打上げることが可能なロケットの開発、生産コストの低減やにロケット打上げ需要獲得の蓋然性等、事業性の検証に必要となる諸事項を対象として、4社の知見・ノウハウの共有を図りながら、事業化の検討を進めていくという。


キヤノン電子は、小型光学衛星などの開発実績を持ち、過去には宇宙政策委員会において、民間企業が打上げるロケット関連の制度整備を求めている。このほか、IHIエアロスペースはイプシロンロケットやH-2Aロケットに用いられる固体ロケットブースタ(SRB-A)の開発・製造を担当している。また、日本政策投資銀行は今年度より「航空宇宙室」を新設し、民間企業の新規参入等に対し「リスクマネー供給の強化などが急務」との見方を示している。このほか、清水建設は宇宙関連のコンサルティング等を行う子会社とともに打上げに必要なインフラなどの知見を提供するとしている。


今後、新会社で事業化の検討を進め、年末以降には速やかに事業会社へと移行したい考えだ。


詳細はキヤノン電子ほか4社のプレスリリースを参照。
キヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資「『新世代小型ロケット開発企画株式会社』の設立について

JAXA、2020~30年代の打上げ輸送サービス市場の需要動向を調査。ユーロコンサルに発注。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日までに、今年6月の契約実績を公表した。JAXAが公表した契約実績によれば、432万円でユーロコンサルが受注したことが明らかにされている。



今回、JAXAは「過去の衛星打ち上げ実績と現在計画中の衛星の調査結果」や技術動向等を踏まえ。2020年代から30年代の打上げサービス市場の需要動向を調査するとして、技術情報を有するユーロコンサルに6月1日に随意契約を行った。


ユーロコンサルはフランスに本社を置く、宇宙マーケットに特化したコンサルティング会社。50ヶ国600社からの受注実績があり、日本にも事務所を開設している。JAXAによれば、平成24年度と平成27年度にも同種の市場調査を請け負っている。


詳細はJAXAの「契約に係る情報の公表」を参照。
JAXA「契約に係る情報の公表(平成29年度)
JAXA「契約・調達情報

2017年8月13日日曜日

JAXA、宇宙探査・利用に関する市場調査を実施へ。予算額1,000万円。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は先月27日、「宇宙探査・利用に関する将来市場の調査検討」業務の調達に着手した。宇宙政策委員会がまとめた宇宙産業ビジョンを踏まえ、宇宙探査・利用による新産業実現に向けたシナリオ、市場規模について調査・検討を行うこととしている。



あらかじめJAXA側の予算額を提示した上で、企画提案の競争を行う企画競争で実施される。JAXAの公告によれば、予算額は1,000万円。来月1日までの企画提案書の提出を求めている。


詳細はJAXAの公告を参照。
JAXA公告「宇宙探査・利用に関する将来市場の調査検討
JAXA契約・調達情報「技術提案方式・企画競争・参加者確認公募の公告/選定結果の公告

みちびき3号の打上げ中止。「ロケットの推進系統に確認を必要とする事項が生じた」ため

三菱重工宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12日に予定されていたH-IIAロケット35号機による「みちびき3号機」(準天頂衛星システム 静止軌道衛星)の打上げを中止したと発表した。ロケットの推進系統に確認を必要とする事項が生じたためという。



詳細はJAXAなどのプレスリリースを参照。
三菱重工・JAXAプレスリリース「H-IIAロケット35号機による「みちびき3号機」(準天頂衛星システム 静止軌道衛星)の本日の打上げ中止について

TIS子会社、JAXAより「サイバーセキュリティインシデント対応の高度化支援業務」を受注。予算額6,000万円。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、サイバーセキュリティインシデント対応の高度化支援業務に関する調達結果を公表した。JAXAの公示では、TISグループのTISソリューションリンクが受注したことが明らかにされている。



今回の調達は、あらかじめJAXA側の予算額を提示した上で、企画提案の競争を行う企画競争で実施された。JAXAの公告によれば、予算額は6,000万円を上限としている。


詳細はJAXAによる公示などを参照。
 JAXA公示「サイバーセキュリティインシデント対応の高度化支援業務
 JAXA契約・調達情報「技術提案方式・企画競争・参加者確認公募の公告/選定結果の公告

JAXA、能代で再使用ロケット実験へ。高圧ガス供給設備を約3,000万円で調達。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4日、再使用ロケット実験機高圧ガス供給設備の新規整備に関する入札結果を公表した。JAXAが公開した入札結果によれば、2,989万円で岩谷産業が受注したことが明らかにされている。



再使用ロケットは、すでに米国スペースX社が実用化している。日本では、JAXA宇宙科学研究所が能代ロケット実験場で着陸実験を実施してきた経緯がある。(平成15年の再使用ロケット実験機第3次離着陸実験の映像:JAXAウェブサイト)今年6月に宇宙政策委員会が取りまとめた、宇宙基本計画工程表改訂に向けた「中間とりまとめ」では、「平成 29 年度より第1段再使用化の検討に資する小型実験機の準備を行う。平成 30 年度には飛行試験を実施し、新型基幹ロケット(H3 ロケット)等の次の宇宙輸送技術構築に向けた課題等の整理を行う。」とする方向性が示されている。


入札にあたりJAXAが公開した調達仕様書によれば、、能代ロケット実験場において再使用ロケット実験機を用いた実験を行うとして、液体水素、液体酸素、液体窒素等の貯槽(タンク)、真空断熱配管等の整備を実施するとしている。今後、10月末までに、新たな燃料供給設備が整備される見通しだ。


詳細はJAXAの入札情報公開システムを参照。
JAXA「入札情報公開システム
JAXA「契約・調達情報