日本経団連は7月22日、エネルギー・環境技術の普及イメージを公表した。関連75社・団体へ行ったアンケートを取りまとめたもので、宇宙太陽光発電(SSPS)について、「2050 年に100 万kW 級発電の実用化を目指す」との回答があった旨が明らかにされている。
SSPSは、宇宙空間に設置した太陽光発電設備により発電した電力を、マイクロ波などを介して地球に送電するアイディア。1960年代に米国で提唱された。我が国においては、経済産業省が宇宙システム開発利用推進機構を通じて開発を進めているほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や三菱電機、三菱重工なども研究開発に取り組んでいる。
今回、経団連が取りまとめたアンケート結果によれば、関連企業等から「2050 年に、100 万kW 級により8 円/kWh の発電」を実用化するため、①2km 四方の太陽光発電パネル、②空間送電技術、③運用・維持技術などの開発を行うとの回答があったとされている。アンケート調査は経団連の関連部会に参加する75社・団体に対して行われ、内、33者から回答があった模様。
SSPSを巡っては、今年1月制定の宇宙基本計画において「我が国のエネルギー需給見通しや将
来の新エネルギー開発の必要性に鑑み、無線による送受電技術等を中心に研究を着実に進める」方針が示されている。最近の動向としては、宇宙システム開発利用推進機構が先月5日に開発状況を発表しているほか、同25日にはJAXAが実験設備の調達に乗り出している。
宇宙太陽光発電(SSPS)をめぐる動向
経済産業省-宇宙システム開発利用推進機構:
エネルギー伝送にかかる精密ビーム制御技術を研究
JAXA:
エネルギー伝送技術、宇宙空間での大規模構造物建造技術を研究
三菱電機:
ソーラーバード構想を発表。送電部、ビーム制御部の研究に関与。
三菱重工:
エネルギー伝送技術、大型構造技術の研究に関与。
詳細は経団連発表のアンケート結果などを参照。
日本経団連「2050年に向けたエネルギー・環境技術の普及イメージ」
日本経団連「エネルギー・低炭素化関連技術アンケート結果概要」
宇宙システム開発利用推進機構「SSPS開発概要」
JAXA公告「レーザー方式宇宙太陽光発電システム地上伝送実験用レーザー伝送システムの開発」
JAXA契約・調達情報「技術提案方式の公告・選定結果の公告」
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