宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、奥村理事長の定例会見の模様を公開した。会見の冒頭、奥村理事長は来年度のJAXA予算について言及し、本予算として1,545億円の内示があったことを明らかにしている。
平成26年度本予算で新規に認められたJAXAの事業としては、次期基幹ロケット(いわゆるH-Ⅲロケット)に対して70億円、超低高度衛星技術試験機(SLATS)に対し6億円の予算が投入される見通しだ。
H-Ⅲロケットを巡っては、6年後の打上げに向け、今年度中に主契約者となる民間事業者を選定することが明らかにされている。開発体制として、政府による資金確保のもと、JAXAは液体ロケットエンジン技術などのキー技術の開発に取り組むとされている。
超低高度衛星技術試験機(SLATS)は、高度200から300kmを周回する衛星の構想。600から800kmの軌道を周回している従来の地球観測衛星と比較して、半分以下の高度を飛行するため、より詳細な観測が可能になることが期待されている。これまでJAXAは、衛星が受ける大気抵抗をイオンエンジンで打ち消すことで、超低高度衛星も技術的に実現可能とする考えを、文科省の宇宙開発利用部会などの場で示してきた。SLATSの総開発費は約34億円と見込まれている。
JAXAの奥村理事長は、これらの来年度予算の他、今後計画されている、陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)や小惑星探査機「はやぶさ2」などの打上げスケジュールなどを挙げ、「今年も大きな一年となりますので、気を引き締めて業務にあたりたい」とコメントし、会見冒頭の挨拶を締めくくっている。会見は今月16日に行われた。
詳細はJAXAが公表した奥村理事長の記者会見の模様を参照。
JAXA「平成26年1月理事長定例記者会見」
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