防衛省は先月、平成25年版の防衛白書を公刊した。白書では、航空機、誘導弾などを含む装備品調達についても一章が割かれており、F-15戦闘機の能力改修事業における「集中調達」などの取り組みや、三菱電機や住友重機械工業による過大請求事案、及び新多用途ヘリコプター官製談合事件などについても言及されている。
装備品調達について言及されているのは防衛関連施策について言及した第Ⅲ部のうちの一章。昨今の随意契約見直しや複数年契約の拡大など、国の調達制度適正化に関連した取り組みや同省が実施してきた監査機能の強化などの事例を列挙した上で、2012年に相次いだ川崎重工が受注した陸自新多用途ヘリコプターに関する官製談合事件、三菱電機による過大請求事案や住友重機械工業による同種の事案に対する再発防止対応について言及している。
近年の調達制度に関する取り組みに関しては、複数年度分の調達要求を、特定年度にまとめて予算化・契約することで効率化をはかる集中調達、各自衛隊の共通装備品を一括して調達する一括調達などの実施状況を紹介している。平成24年度における事例として、F-15戦闘機の能力向上回収におけるレーダー部品の集中調達を通して、約64億円のコスト削減効果が、陸自や空自の地対空誘導弾の共通部品(射撃管制装置、発射機など)に対する一括調達を通して、約9億円のコスト削減効果があったとしている。
また、公共サービス分野などに民間事業者を参入させ、その資金や経営ノウハウを活用するPFI方式の導入事例として、平成25年1月の、Xバンド通信衛星の調達を挙げている。PFI事業と長期複数年度契約の活用により、予算の計画的取得・執行を実現できるなどとして、期待を寄せているもの。同白書では、「今後もPFI法を活用することにより調達コストの低減が見込まれるものについては積極的に活用する。」としている。
詳細については、平成25年版防衛白書を参照。
防衛省平成25年版防衛白書「防衛生産・技術基盤の維持・強化と防衛装備品の効果的・効率的な取得」
防衛省「平成25年版 防衛白書」
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