平成30年度概算要求で計上された各府省の計上内容を、新規事項を中心に紹介する。総務省は衛星通信における量子暗号技術の研究開発に3.1億円を計上した。サイバーセキュリティの強化やICTの安心・安全の確保一環として取り組みたい考え。今後、各府省の計上した概算要求をもとに、財務省による査定が行われ、政府予算案がまとめられる見通し。
今回、総務省は、世界的な人工衛星利用の需要拡大と、衛星通信に対するサイバー攻撃防止に向けて、秘匿性の高い衛星通信を実現する技術の研究開発に取り組むため、衛星通信における量子暗号技術を新規事項として概算要求に計上した。研究開発した技術を国際標準化することで、国際競争力の強化も狙う。
量子通信に成功した超小型衛星「SOCRATES」 出典:NICTウェブサイトより |
総務省が運営費交付金などを要求している情報通信研究機構(NICT)は今年7月、世界で初めて超小型衛星を用いた量子通信に成功している。エイ・イー・エス(AES)が製造した超小型衛星「SOCRATES」と東京都小金井市との間で、通信を行ったもの。NICTは、この実証実験を通じて「従来の衛星光通信より更に高効率な通信や情報漏えいを完全に防ぐ量子暗号の基盤技術」としている。
詳細は総務省の概算要求関連資料を参照。
総務省「平成30年度総務省所管予算概算要求の概要」
総務省報道資料「平成30年度総務省所管予算概算要求の概要」
0 件のコメント:
コメントを投稿