宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、現在開発中の電動航空機について、航空自衛隊岐阜基地において実証飛行を行う計画であることが5日、分かった。JAXAが同日付で配信したメールマガジンの中で、実験場の選定結果について言及したもの。
航空機の電動化は燃費や整備費の大幅な低減につながる可能性があることから、JAXAの航空本部では、将来の航空機技術の競争力を左右する重要技術と位置づけ、電動化航空機の有人飛行実証計画(FEATHER)を進めている。FEATHERでは、JAXAが開発した電動推進システムをモーターグライダーに搭載し、来年度に飛行実証試験を実施することが計画されている。
JAXAは、定期便の運航を妨げないこと、3000m級の滑走路を有していること、格納庫などの設備が確保できること、その他温度や風向・風速環境が実証飛行に適していることなどを条件に、実験場の選定を進めてきた。有力な候補として名古屋空港、空自百里基地、下地島空港やオーストラリアの飛行場等が挙がっていたが、名古屋空港については定期便の多さが、百里基地については中部航空方面隊第7航空団や航空総隊偵察航空隊によるスクランブル発進の可能性が、下地島については気候条件が、オーストラリアの飛行場については予算上の制約が課題となり、最終的に岐阜基地が選定された形だ。百里基地と異なり、岐阜基地には戦闘機部隊は設置されておらず、スクランブル発進の影響を受ける可能性は少ない。
岐阜基地では、空自の飛行開発実験団が試験を行っている他、川崎重工岐阜工場と隣接している。その起源は、大正時代までさかのぼり、零式艦上戦闘機が初飛行した場所(当時の各務原飛行場)としても知られている。
詳細はJAXAのメールマガジンを参照。
JAXA「JAXAメールマガジンバックナンバー」
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