2013年8月31日土曜日

JAXA、イプシロンロケットの打上げ中止に関する原因究明状況を発表。地上設備の動作が想定より0.07秒早かったことが原因か。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、イプシロンロケットの打上げ中止に関する原因究明の状況について発表した。JAXAの発表内容によれば、現時点で判明している原因として、LCSと呼ばれる地上設備の動作が、想定よりも約0.07秒早かったため、発射19秒前で打上げ手順が自動停止されたことが挙げられている。



LCSとは、イプシロンロケットの点検や打上げを制御、モニタリングする装置。発射場から2km離れたイプシロン管制センターに設置されている。LCSはロケットの姿勢監視にも使用する装置で、発射20秒前からロケット本体が計算する姿勢データを受信する手順だった。


27日の打上げでは、このLCSの動作が約0.07秒早かったため、ロケット本体が姿勢データの算出を開始する前に、姿勢監視が開始された。ロケット本体からLCSへ姿勢データが送信されるよりも早く、LCSが姿勢監視機能を作動させた結果、「姿勢異常」が誤検知されて打上げ手順が自動停止されたことが明らかとなっている。


JAXAは、イプシロンロケットの打上げに先立って、リハーサルなどを実施し、打上げ手順が計画通り進行するか確認してきた。にもかかわらず、LCSが0.07秒早く動作することの問題点に気づかなったことについて、JAXA側は「約0.07秒の微小なずれまでには思いが至らなかった」としている。


詳細はJAXAが公開した記者説明会資料を参照。
JAXA記者説明会資料「イプシロンロケット試験機 打上げ中止の原因究明状況について


参考記事
イプシロンロケット、打ち上げ中止。発射直前にロケット本体が自動停止。


※9月4日、タイトルの誤記を修正いたしました。

東大衛星、福島第一原発とチェルノブイリ原発の観測へ。日本・ウクライナ外相会談で言及。

外務省は26日、岸田外相のウクライナ訪問における外相会談の模様を発表した。ウクライナのコジャーラ外相と岸田外相は、26日、1時間程度の会談を通して、両国の原発事故対応に関する協力などについて協議を行った。外務省の発表では、東大とウクライナ宇宙庁などが進める、福島第一原発とチェルノブイリ原発に対する共同観測プロジェクトについて、両国政府が支援していく方針で一致したことが明らかにされている。



福島第一とチェルノブイリの共同観測プロジェクトは、東大とウクライナの宇宙庁や科学アカデミーが中心となり進めている取り組み。東大が開発中の衛星を中心に、計8機の超小型衛星を打上げ、両原子力災害被災地の観測を行う計画だ。今回の外相会談では、同プロジェクトを「両国の原発事故後協力の象徴」として、成功に向け両国政府で支援していくことで一致した。


詳細は外務省の発表を参照。
外務省発表「日・ウクライナ外相会談(概要)」

2013年8月30日金曜日

文科省、宇宙科学技術の推進に係る委託テーマを選定。衛星を用いた早期津波警戒システムの開発など10テーマ。

文部科学省は22日、平成25年度の宇宙科学技術の推進に係る委託テーマの選定結果を発表した。同省が4月から公募していた宇宙科学技術推進調整委託費への応募から、10テーマの委託が決定した形だ。準天頂衛星「みちびき」技術試験衛星8型「きく8号」(ETS-8)を用いたGPS津波計による早期津波警戒システムの開発や小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)に関連した宇宙探査体験学習教材の開発など、10テーマが採択されている。



文科省は、平成21年度から「人工衛星に係る潜在的なユーザーや利用形態の開拓等を推進する新たな仕組み」として、宇宙科学技術推進調整委託費による産学などへの委託に取り組んできた。今年度の委託先については、4月から公募を実施し、書面と面接による審査により、選定作業を進めてきた。公募は、宇宙科学技術の新たな利用方法に係る「宇宙科学技術利用促進プログラム」と教材開発、実験機会の提供などに係る「宇宙航空科学技術人材育成プログラム」の2分野について実施され、合計で63件の応募があった。


今後、採択されたそれぞれの委託先に対し、最大3年間で6000万円の委託費が投入される見通しだ。文科省は10月中に委託先と契約を締結し、開発事業に着手する計画を明らかにしている。


文部科学省 平成25年度宇宙科学技術推進調整委託費の採択課題

宇宙科学技術利用促進プログラム―――宇宙科学技術の新たな利用方法を開発を目指す

「みちびき」と「きく8号」を用いたGPS津波計による早期津波警戒システム(高知工専)
損害評価効率化のための農業共済保険制度への衛星データの社会実装(千葉大)
宇宙飛行士の安全な長期宇宙滞在を可能にする機能性宇宙食の開発(徳島大)
食糧安全保障に向けた衛星入力を活用した環太平洋域での広域収量推定および短期予測の試み(千葉大)
大規模穀倉地帯における土壌劣化マッピング手法の確立と情報提供ソフトウエアの開発(東京大)


 宇宙航空科学技術人材育成プログラム―――教材開発、実験機会の提供などを実施する

球形立体表示システムを用いた宇宙地球教育プログラムの発展的開発と実施(京都大)
「宇宙観測を支える情報技術とエンジニア」についての教材の開発とパッケージ化(企業教育研究会)
「はやぶさ」の成果を活かす宇宙探査体験学習教材の開発と実証(宇宙技術開発)
科学衛星データを活用した宇宙天気研究成果の社会発信と人材育成(京都大)
大学院の国際連携による衛星リモートセンシングの人材育成(山口大)


詳細は文科省の発表などを参照。
文科省報道発表「平成25年度宇宙科学技術推進調整委託費の採択課題の決定について
文科省報道発表別紙「採択課題
文科省報道発表「平成25年度宇宙科学技術推進調整委託費の公募について

2013年8月29日木曜日

JAXA、イプシロンロケットの再打上げに関する見通しを発表。8月中の再打上げは困難。

27日に打上げが中止されたイプシロンロケット試験機について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、最新の見通しを発表した。発射直前に発生した自動停止について、原因の調査を行うため、8月中の再打上げは困難な見通しだ。



今回のイプシロンロケットの打上げ中止について、JAXAは、「慎重を期して今後の原因調査作業、対策確認等を行っていく」姿勢を明らかにしている。再打上げの予定について、現時点では具体的な情報は示されておらず、「わかり次第」続報がリリースされる見通し。


詳細はJAXAの発表を参照。
JAXA発表「イプシロンロケット試験機 打上日再設定の見通しについて


関連記事
イプシロンロケット、打ち上げ中止。発射直前にロケット本体が自動停止。

2013年8月27日火曜日

イプシロンロケット、打ち上げ中止。発射直前にロケット本体が自動停止。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、27日に予定していたイプシロンロケットによる惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げについて、中止を発表した。発射予定時刻の13時45分まで準備作業を進めていたものの、カウントダウン中にロケット本体が姿勢異常を検知し、打上げ19秒前に自動停止したことが明らかにされている。



詳細はJAXAのプレスリリースを参照。
JAXAプレスリリース「イプシロンロケット試験機による 惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げ中止について