文部科学省は22日、平成25年度の宇宙科学技術の推進に係る委託テーマの選定結果を発表した。同省が4月から公募していた宇宙科学技術推進調整委託費への応募から、10テーマの委託が決定した形だ。準天頂衛星「みちびき」と技術試験衛星8型「きく8号」(ETS-8)を用いたGPS津波計による早期津波警戒システムの開発や小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)に関連した宇宙探査体験学習教材の開発など、10テーマが採択されている。
文科省は、平成21年度から「人工衛星に係る潜在的なユーザーや利用形態の開拓等を推進する新たな仕組み」として、宇宙科学技術推進調整委託費による産学などへの委託に取り組んできた。今年度の委託先については、4月から公募を実施し、書面と面接による審査により、選定作業を進めてきた。公募は、宇宙科学技術の新たな利用方法に係る「宇宙科学技術利用促進プログラム」と教材開発、実験機会の提供などに係る「宇宙航空科学技術人材育成プログラム」の2分野について実施され、合計で63件の応募があった。
今後、採択されたそれぞれの委託先に対し、最大3年間で6000万円の委託費が投入される見通しだ。文科省は10月中に委託先と契約を締結し、開発事業に着手する計画を明らかにしている。
文部科学省 平成25年度宇宙科学技術推進調整委託費の採択課題
宇宙科学技術利用促進プログラム―――宇宙科学技術の新たな利用方法を開発を目指す
「みちびき」と「きく8号」を用いたGPS津波計による早期津波警戒システム(高知工専)
損害評価効率化のための農業共済保険制度への衛星データの社会実装(千葉大)
宇宙飛行士の安全な長期宇宙滞在を可能にする機能性宇宙食の開発(徳島大)
食糧安全保障に向けた衛星入力を活用した環太平洋域での広域収量推定および短期予測の試み(千葉大)
大規模穀倉地帯における土壌劣化マッピング手法の確立と情報提供ソフトウエアの開発(東京大)
宇宙航空科学技術人材育成プログラム―――教材開発、実験機会の提供などを実施する
球形立体表示システムを用いた宇宙地球教育プログラムの発展的開発と実施(京都大)
「宇宙観測を支える情報技術とエンジニア」についての教材の開発とパッケージ化(企業教育研究会)
「はやぶさ」の成果を活かす宇宙探査体験学習教材の開発と実証(宇宙技術開発)
科学衛星データを活用した宇宙天気研究成果の社会発信と人材育成(京都大)
大学院の国際連携による衛星リモートセンシングの人材育成(山口大)
詳細は文科省の発表などを参照。
文科省報道発表「平成25年度宇宙科学技術推進調整委託費の採択課題の決定について」
文科省報道発表別紙「採択課題」
文科省報道発表「平成25年度宇宙科学技術推進調整委託費の公募について」
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