2013年7月30日火曜日

赤外線天文衛星「あかり」プロジェクト終了。経済効果は330億円。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)のプロジェクト終了経緯等について、文科省の諮問委員会に報告した。報告は、天文データの取得や90億年前までの星の活動状況など、「あかり」プロジェクトを通した研究成果を主要な内容としているが、同プロジェクトによる経済波及効果など、産業面への影響にも言及がなされている。



JAXA側が文科省の科学技術・学術審議会、宇宙開発利用部会(旧、宇宙開発委員会)に提供した資料によれば、「あかり」開発による国内産業の経済波及効果は、一次波及効果200億円程度、さらに消費拡大による二次波及効果が130億円程度創出されたとの試算を報告している。


また、JAXA側は「あかり」による成果として「宇宙用冷凍機の技術的躍進」を挙げている。「あかり」のように、宇宙空間において赤外線による天体観測を行う場合、衛星の望遠鏡自身が発する熱放射が観測の障害となる。このため、赤外線観測装置に必要不可欠となるのが「宇宙用冷凍機」だ。宇宙用冷凍機により望遠鏡の温度を下げ、熱放射を抑制することにより、宇宙空間の微細な光まで観測可能になる。JAXA側は「あかり」開発などを通して、「欧米に比べて10年以上遅れているとされた日本の宇宙用冷凍機は、現在では世界トップの技術となった」としている。


赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)
●主契約者 NEC東芝スペースシステム
・望遠鏡担当 ニコンなど
・冷却系担当 住友重機械工業など

その他、東大、筑波大、NICTなど多数が参画。


詳細はJAXA発表のプレスリリースを参照。
JAXAプレスリリース「赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)プロジェクトの終了について

0 件のコメント:

コメントを投稿