政府は17日、防衛計画の大綱(防衛大綱)と中期防衛力整備計画(中期防)を閣議決定した。防衛大綱及び中期防では、宇宙空間の防衛利用や滞空無人機の導入にも言及している。
防衛大綱は我が国の安全保障の基本方針や防衛力整備目標を示す文書として、中期防は防衛大綱が示す基本方針に対し必要な装備品の数量などを明示するものとして位置付けられている。今回制定された防衛大綱では、宇宙利用について「人工衛星を活用した情報収集能力や指揮統制・情報通信能力」の強化する他、「宇宙状況監視等の取組」等を通じた「効果的かつ安定的な宇宙空間の利用を確保する」方針が示されている。これについて、中期防では「Xバンド衛星通信網」の整備や「人工衛星の防護に係る研究」の積極的推進などの具体的方策が挙げられている。これら宇宙空間の防衛利用に際しては、国内の関係機関や米国と、人材の育成を含めた連携、協力を実施することも明らかにされている。
中期防では平成30年までの装備品の整備数量も明記されている。航空機等の整備数量は以下の通り。
中期防衛力整備計画(平成26年度~30年度)における航空機等の整備数量
(中期防別表より抜粋。車両、艦船等については省略)
陸上自衛隊
ティルト・ローター機 17機
CH-47JA輸送ヘリ 6機
海上自衛隊
P-1哨戒機 23機
SH-60K哨戒ヘリ 23機
艦載多用途ヘリ 9機
航空自衛隊
新早期警戒管制機 4機
F-35A戦闘機 28機
F-15戦闘機近代化改修 26機
新空中給油・輸送機 3機
C-2輸送機 10機
PAC-3能力向上 2個高射群他
その他
滞空型無人機 3機
この他、中期防では部隊の改編や駐屯地の配置・運営に当たり、官公需法に基づく国等の契約の方針を踏まえ、地元中小企業の受注機会に配慮することが明らかにされている。
詳細は、防衛省の発表などを参照。
防衛省「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱ついて」
防衛省「中期防衛力整備計画(平成26年度~30年度)について」
防衛省「「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)について」」
防衛省「防衛大綱と防衛力整備」
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