2013年8月22日木曜日

JAXA低ソニックブーム試験機、飛行コースから逸脱。低ソニックブーム機の衝撃波計測に世界で初めて成功するも、試験機が想定経路から逸れて落下。D-SEND♯2第一回試験。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、16日にスウェーデンで実施した低ソニックブーム無人試験機の飛行試験結果を発表した。発表によれば、試験機が想定経路から逸れて落下したことが明らかにされている。今回の試験結果を受け、予定されていた二回目の飛行試験は延期される見通しだ。



今回の飛行試験は、将来の超音速旅客機に向けたソニックブーム計測を目的とした、「D-SEND♯2」プロジェクトの第一回目の試験。16日にスウェーデンのエスレンジ実験場で無人の試験機を高度約30kmから投下したものの、飛行中の試験機が制御不能に陥り、計画していた飛行経路から逸れて落下したことが判明している。


JAXAは、調査・対策チームを立ち上げ、試験機が想定飛行経路から外れた原因の究明を進めている。計画していた条件とは異なるものの、ソニックブームの計測データには成功している。JAXAによれば、低ソニックブーム機のソニックブーム計測は世界初の事例。


今回の試験結果を受けて、予定されていたD-SEND♯2の第二回試験は延期された。なお、試験機は実験エリア内に落下していることが確認されており、現時点では人的・物的被害の報告はない。JAXAは機体の回収作業を進めている。


D-SEND♯2実験経過概要(時間は全て日本標準時。JAXAの発表に基づく)
16日19時55分:上空29.6kmの気球から試験機を分離。分離時の気象、機体の姿勢は正常。
分離37秒後:試験機の 引き起こし開始。この時点で試験機は高度約23km上空をマッハ約1.2で飛行。
分離40秒後頃: 試験機が振動。高度約22km,、マッハ約1.3。
分離62秒後: 制御不能に陥る。高度約14km, マッハ約1.6。
分離120秒後頃:計測システムが試験機のソニックブームを計測。
分離170秒後頃: 機体姿勢が回復。
分離181秒後: JAXAが投棄コマンド送信。
分離220秒後頃: 試験機が実験エリア内に着地。


詳細はJAXAが発表したプレスリリースなどを参照。
JAXA「D-SEND♯2最新情報
JAXAプレスリリース「低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)延期について
JAXA「D-SEND♯2 1回目試験結果について

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